春はなぜシャローなのか
シーズナルパターン1ではプリスポーニングの最初の動きを追いかけてみました。
3月前半ごろまでには、山上湖などの平均気温が低い湖以外の、たいていの湖でバスはそれまでの越冬場所からシャローのスポーニングエリアへ向かって動き始めます。これが冬から春へのバスの動きの変化です。
2月の後半頃に吹く春一番以降、3月前半になるにつれて、暖かい南からの強い風が何度も吹く事があり、湖の水温が上がるペースが一段と早くなり、シャローへ上がってくるバスが、多くなっていきます。
3月前半頃までの動きが、スポーニングを意識し始めた、体力のあるビックバスだけだったのに対し、3月後半のバスの行動は、スポーニングとは関係のないバスまでを含めての動きになります。
その原因は、3月後半の水温の上昇は、それまでは一部のシャローに限られた場所だけではなく、湖全体の水温が上がっていきます。そうなると表層の水温は上がっていくが、ディープウォーターは低水温のままで取り残されていき、温かいシャローにバスが移動してくるからです。
そのため、春先のある時期から、ディープよりもシャローの方が常に水温が高い状態になり、ディープエリアには狙うべきバスがほとんどいなくなってしまうのです。
狙うべき場所
バスが上がってくるシャローエリアの水深の目安としては、マッディウォーターなら1~1.5m前後、クリアーウォーターなら1.5~2.5m前後を考えます。
それよりも浅いエリアでも、その時の天候でどんどん水温が上がってくるようなら、バスがいる確率は高くなります。逆にそれよりも深いエリアでは水温が上がりにくく、バスがいる確率は低いです。
地形
地形的にバスの行動を考えてみると、水温の上昇が早いワンドである場合が多いです。それも、水温が高いワンドなら見境なく入ってくるという感じです。
バスは基本的に底質が泥の場所には入ってこないが、このときには泥底のワンドにも意外にも平気で入ってきます。黒っぽい泥底の方が太陽光の効果で水温が上がりやすいと言う要素も含めて、この時期に覚えておきたい点の1つです。
それともう1つは、スポーニングエリアになる条件を持っているワンドである必要はないのです。
スポーニングに適した場所は、ハードボトムなのですが、とりあえず泥底などでも水温の上がりやすいワンドに入ってエサを取りながら回遊し、最終的にはスポーニングエリアにたどり着く感じで行動しています。
ストラクチャーの存在
さらには、水の動きをさえぎるようなストラクチャーがあるかないかが、エリアを絞り込む上で重要になってきます。
どの様なストラクチャーかと言うと、流れをさえぎるような高さのある岩や、密度が高いウィード、スタンプ、ブッシュなどのようなものがあれば最高で、そういうストラクチャーに対して流れをさえぎって淀んだ場所の水温が上がりやすく、そういうスポットにバスが好んで付きます。
同じワンドでも、まったくストラクチャーのないワンドは水温が上がりにくく、釣れる可能性は低いです。
春先に水温が上がりやすいエリアというのは、太陽光が当たっている時間が長くなる北側に位置するワンド、その中でも水の動きが少ない場所です。
そういう所にはアオミドロという緑色の細いトロロのようなウィードが多く発生します。
ルアーにまとわりついたりしてアングラーの中では嫌う人も多く、敬遠されがちなアオミドロですが、3月から5月にかけては、プラスの要素であるということも覚えておきたい事です。
クリアウォーターとマディウォーター
琵琶湖の南湖の様に、一つの湖の中に水質がクリアな場所とマッディな場所がある場合、例えば、マッディウォーターで有名な赤野井ワンドよりは、山ノ下湾などの西岸のクリアなワンドの方が水温が上がりやすく、バスの体温も上がりやすいので、春の動きは早いです。
つまり同じような条件のエリアがいくつかあるときに、その中から最終的にどこを選ぶかというときには、マッディーウォーターよりはクリアウォーターのエリアを選ぶ方が、先行するデカいプリスポーンのバスを見つけることができるのです。
広く早く探るためのルアー
こういったエリアのバスをキャッチするためのルアーですが、メインになるのはシーズナルパターン1の時と同じスピナーベイトとジャークベイトです。
それに加えて、バイブレーションプラグも出番となる事が多いです。回遊しているバスが相手だから、手返しよく、広いエリアをすばやくチェックすることを心がける必要があるからです。
ダイワ TDバイブレーション
TDバイブレーション
これらに加えて水深1.5m前後のシャローエリアを手返しよく釣るという事になれば、シャロークランクも外せないルアーです。ワーミングクランク・ショットなどをリップラップなどのストラクチャーに当てながらのリアクションの釣りは、この時期ならではの、バスフィッシングらしい楽しい釣りだと思います。
ノリーズ TGワーミングクランク・ショット
最後に…
シャローへの動きが本格的になってくるこの時期ぐらいから、まだまだ少ないですがクリアーウォーターなら直接バスの姿を視認することで季節の進み具合を確認できます。釣りをせずにシャローに入ってくるバスを行動を眺めてみるのも重要になってくるので、試してみてください。
最後まで読んでいただきありがとうございます。